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API / SDK/2026-06-22上級

Gemini APIの会話履歴をローリングサマリで圧縮する — 数百ターン続くチャットボットの設計

Gemini APIで動かしているチャットボットが、会話が長くなるほど料金が膨らみ、ある時点でトークン上限に当たって停止する問題への現実的な対処法をまとめます。ローリングサマリ方式の実装と、要約してはいけない情報の見極め方を解説します。

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プレミアム記事

Gemini API でチャットボットを運用していると、あるタイミングで「先週まで動いていたのに、特定のユーザーだけ応答が返ってこなくなった」という現象に出会うことがあります。ログを掘ると Request contains too many tokens が並んでいて、原因が会話履歴の肥大化だと分かります。

私は個人プロダクトでも Discord ボットでも同じ壁にぶつかってきました。会話履歴を全部送るシンプルな実装は最初の数十ターンまでは美しく動くのですが、ヘビーユーザーが現れた瞬間に料金もレイテンシも崩れていきます。ここではローリングサマリ(rolling summary)と呼ばれる古典的だけれど効果の高い手法を、Gemini API 向けに実装した形でご紹介します。

なぜ単純なスライディングウィンドウでは足りないのか

最初に思いつく対策は「直近 N 件だけ送る」というスライディングウィンドウ方式です。実装は簡単ですが、ユーザーから見ると「さっき自分が言った名前を覚えていない」という致命的な体験を生みます。N=10 で切ると、11 ターン前に伝えた前提条件は完全に消えてしまうわけです。

ローリングサマリは、この問題を「古い会話は要約して残す、新しい会話は逐語で残す」という二段構えで解決します。要約は固定長に保てるので、トークン総量がほぼ一定値で頭打ちになります。

アーキテクチャの全体像

実装は3つの関数で十分です。

  • count_tokens(history): 会話履歴の現在のトークン数を取得します
  • should_compress(history, threshold): 圧縮すべきかどうかを判定します
  • compress(history, keep_recent): 古い部分を要約に置き換え、直近 N 件は逐語で残します

ポイントは「いつ圧縮するか」と「何を要約に含めるか」です。閾値はモデルの上限ではなく コスト基準 で決めます。Gemini 2.5 Pro のコンテキストウィンドウは 100 万トークンありますが、毎リクエストで数十万トークンを送り続けるのは料金的に持ちません。

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この記事で得られること
会話が伸びるほど料金が膨らみトークン上限で止まるチャットボットを、コストが頭打ちになる構成に作り替えられる
既定モデルの差し替え・要約の事実欠落・二重圧縮レースという本番でだけ出る3つの落とし穴を、動くコードで先回りして潰せる
要約してよい情報と絶対に要約してはいけない情報の線引きを設計に落とし込み、数百ターン続くセッションを安定運用できる
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