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高度な活用/2026-08-25上級

AI 検索が広げたクエリを分母から外して、実質 CTR を出し直します

運営サイトの検索データで、表示回数上位5件のクリックが全て0でした。うち4件は人間が打つ語ではありません。分母を作り直す手順と、Gemini に判定を任せる境界の引き方をまとめます。

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週次の検索データを開いて、表示回数の多い順に並べ替えたときのことです。上位5件のクリックが、揃って 0 でした。

最初に浮かんだのはタイトルの問題でした。順位は悪くないのに誰も押していないのだから、見出しか説明文が弱いのだろう、と。

読み直して、手が止まりました。

rork.com core business features target audience — これを検索窓に打ち込む人を、私は想像できませんでした。

表示回数の上位に並んでいた5つのクエリ

対象は、私が個人開発と並行して運営している技術サイトのうち、アプリ開発ツールを扱っている1サイトです。集計期間の全表示回数は 41,700 でした。

クエリ表示クリック
rork.com core business features target audience1,3710
rork max swiftui features and ai capabilities1,2820
onspace vs rork for complex app logic1,1490
expo audio continue playing screen locked react native 20251,0230
rork max swiftui features and native app generation6240

合計 5,449 表示。全体の 13.1% です。クリックは全て 0。

上から4件のうち3件は、語の並びが不自然です。core business features target audience は属性名を並べただけですし、features and ai capabilities も同じ構造をしています。onspace vs rork for complex app logic に至っては、比較軸まで文中に埋め込まれています。

人間はこうは打ちません。打つとしたら「rork max 料金」のように、短く、必要な語だけを置きます。

これは AI 検索が内部で展開したサブクエリです。ひとつの質問を受け取った側が、答えを組み立てるために8〜16程度の下位クエリへ分解して検索を回す。その挙動は query fan-out として整理されています。Google 側も AI 機能を含む検索面での表示の扱い を説明していますが、レポート上で人間の検索と分けて出てくるわけではありません。

つまり、私の CTR の分母には、構造的にクリックが発生し得ない表示が混ざっています。

クリック数を判定条件に入れてはいけない

ここで最初の落とし穴を踏みかけました。

「クリック 0 かつ高表示」を合成クエリの判定条件にすれば、機械的に仕分けられます。実際、上の5件は全てその条件を満たしています。

しかしこれをやると、除外した瞬間に CTR が必ず上がります。分子に寄与しない表示だけを狙って分母から抜くのですから、当然です。改善したのではなく、改善したように見える計算を作っただけになります。

私はこの手の「自分に都合よく効く指標」を、過去に何度か作ってしまったことがあります。数字が動いたときに嬉しくなってしまい、検算をしなくなるのが怖いところです。

ですので、判定はクリック数を一切見ずに、クエリの語の並びだけで行うと決めました。結果としてクリックが多いクエリが合成と判定されたなら、それは判定条件のほうが間違っている、という検証の順序を残しておきたかったからです。

ここまでお読みいただきありがとうございます。

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この記事で得られること
表示回数だけが増えて成果が動かないとき、その増加が読者由来かどうかを自分のデータで切り分けられるようになる
CTR の低下を見てタイトルを書き換える前に、分母の汚染を疑うべき場面かどうかを判断できるようになる
除外方針の違いで実質 CTR が 0.73%〜0.81% に振れることを踏まえ、数字を方針とセットで報告できるようになる
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