◉GEMINI LABEN
●ARGON — gemini-4-argon が 10/13 に GA。複雑なコーディング・エージェント・数学・科学向けです●DEEP RES — deep-research-pro-preview-12-2025 は 10/23 に停止、残り3日。移行先は deep-research-preview-04-2026●NANO — gemini-nano-banana-2.1 が GA(10/06)。gemini-3.1-flash-image は非推奨で停止日は未発表です●MCP — ツール結果が 8.5万トークンに膨らんだ事例を、ADK で 310 トークンに包んで抑えた報告が出ています●FLASH — gemini-3.7-flash と 3.5-flash は新しい Flash モデルに自動で回されます(10/08)●NEW — クラッシュ報告を毎回ゼロから読ませない — 既知バグ早見表を先に grep し…●ARGON — gemini-4-argon が 10/13 に GA。複雑なコーディング・エージェント・数学・科学向けです●DEEP RES — deep-research-pro-preview-12-2025 は 10/23 に停止、残り3日。移行先は deep-research-preview-04-2026●NANO — gemini-nano-banana-2.1 が GA(10/06)。gemini-3.1-flash-image は非推奨で停止日は未発表です●MCP — ツール結果が 8.5万トークンに膨らんだ事例を、ADK で 310 トークンに包んで抑えた報告が出ています●FLASH — gemini-3.7-flash と 3.5-flash は新しい Flash モデルに自動で回されます(10/08)●NEW — クラッシュ報告を毎回ゼロから読ませない — 既知バグ早見表を先に grep し…
記事一覧/高度な活用
⬡ 高度な活用/2026-09-05上級

長い動画を Gemini に辿らせるとき、見つける問いと「無い」を確かめる問いは別々に投げています

9月1日に来たエージェント的動画理解では、どこを観るかをモデル自身が決めます。見つける問いには効きますが、映り込みが無いことの確認には被覆の保証がありません。問いの形で処理モードを分ける判断と、被覆を自分で担保する実装を書き残します。

Gemini API249動画理解3エージェント16Gemini 3.7 Flash個人開発121

✦ プレミアム記事

受託でお預かりした一時間ほどの記録映像から、公開用に九十秒の抜粋を作る作業をしておりました。切り出す前に確かめておきたいことが一つありました。作業をされている方以外の顔が、どこかに映り込んでいないかどうかです。

その確認を Gemini に投げました。エージェント的動画理解が公開されたばかりで、processing に "agentic" と書くだけで使えると知ったところでしたので、ちょうど良い試し場だと思ったのです。

返ってきた答えは「該当する区間は見当たりません」でした。

念のため自分でも早送りしながら見返しました。終盤、通りがかった方が一瞬だけ画面の端に入っておりました。

モデルが嘘をついたわけではありません。その区間を、そもそも観ていなかったのです。

増えたのは「どこを観るかをモデルが決める」という選択肢です

2026年9月1日、Google は Gemini 3.7 Flash・3.6 Flash・3.5 Flash-Lite にエージェント的動画理解を追加しました。動画のアップロードにも YouTube の URL にも使えて、Google AI Studio 経由の Gemini API と Gemini Enterprise Agent Platform で利用できます。

これまでの取り込み方は静的処理と呼ばれます。既定では毎秒一枚、動画全体を等間隔にフレーム化して読み込みます(FPS は API で変えられます)。尺が伸びるほどトークンが素直に膨らみますので、長尺では「高いトークンを払う」か「細部を落とす」かの二択になっておりました。

エージェント的動画理解は、そこにモデル自身の判断を挟みます。フレーム・音声・トランスクリプトを横断して必要な区間を探し、必要なら FPS を上げて観直します。公式ブログの数字では、標準的な動画解析ベンチマークで解析コストが最大66%減、トークン消費が最大88%減、精度が最大7%向上とされています。追加の機能料金はなく、通常のトークン課金のままです。

切り替えは設定一つです。

from google import genai
 
client = genai.Client()
 
interaction = client.interactions.create(
    model="gemini-3.7-flash",
    input=[
        {
            "type": "video",
            "uri": VIDEO_URI,          # アップロード済みファイル、または YouTube の URL
            "processing": "agentic",   # ここだけ。指定しなければ従来どおりの静的処理
        },
        {"type": "text", "text": "ロゴが最初に画面へ出るのは何分何秒ですか"},
    ],
)
 
print(interaction.output_text)

一行足すだけで長尺の解析が軽くなるのですから、私も最初は全部これで良いと思いました。

私が取り違えたのは「数え上げ」の一語でした

公式が挙げている用途に、動作と物体の数え上げがあります。繰り返される身体の動きや個々の物体を、時間をまたいで正確に追える、と書かれています。私はこれを読んで、動画全体で何回・何個という総数の集計まで任せられると受け取りました。

読み直すと、書かれているのは別のことでした。強いのは、注目した時間窓の中を必要に応じて高い FPS で観直し、そこにあるものを取りこぼさずに数えることです。窓をどこに置くかは、モデルが問いから判断します。

ここに段差があります。問いの中に辿る足がかりがあれば、モデルは正しい窓へ降りられます。「ロゴが最初に出るのはどこか」なら、ロゴという手がかりを頼りに探せます。ところが「映ってはいけないものが無いこと」を確かめたいとき、足がかりになる手がかりは、こちらの側にも無いのです。

私の一時間の映像で起きたのは、まさにこれでした。

同じ順番の取り違えを、私は以前に画像の側でもしております。似た絵を見つける仕組みを足す前に、そもそも何をもって重複と呼ぶのかを決めていなかったという話は、画像の重複検査に埋め込み検索を足す前に、重複の定義を三つに分けるに書きました。道具を足す前に問いを分ける、という順番は動画でも同じでした。

✦

ここまでお読みいただきありがとうございます。

この記事の続きを読む

この先には、実装コードやベンチマーク結果など、実務でお役に立てる内容をご用意しています。このサイトは広告を掲載しておらず、サーバーや開発にかかる費用はメンバーの皆様のご支援で成り立っています。もしお役に立てていましたら、ご支援いただけますと大変ありがたいです。

この記事で得られること
✦動画への問いを「見つける」と「無いことを確かめる」に仕分けて、エージェント的処理と静的処理のどちらへ投げるかを自分の要件で決められるようになります
✦モデルが観なかった区間があることに気づかないまま「該当なし」を信じてしまう事故を、公開前の確認に被覆チェックを一つ足すだけで防げるようになります
✦トークン最大88%削減という公表値が自分の動画でどこまで出るのかを、尺ではなく問いの形から見積もれるようになります
Stripe による安全な決済 · いつでもキャンセル可能
✦

この記事を購入する

この先の内容をすべてお読みいただけます。一度のご購入で、いつでも何度でもアクセスできます。このサイトは広告を掲載しておらず、皆さまのご支援がサーバー費用などの運営を支えています。

または
メンバーシップなら全記事が読み放題 →
シェア

お読みいただきありがとうございます

Gemini Lab は広告なしで運営しており、サーバー費用などの運営コストはメンバーシップのご支援で賄っています。実装コード・ベンチマーク・本番設計パターンなど、実務でお役立ていただける記事を毎日更新しています。もし読んでよかったと感じていただけましたら、ぜひご覧ください。

  • ✦コピー&ペーストで使える実装コード付き
  • ✦毎日新しい上級ガイドを追加
  • ✦¥580/月 または ¥1,480 の永久アクセス
メンバーシップを見る →

関連記事

⬡ 高度な活用2026-08-31
画像の重複検査に埋め込み検索を足す前に、重複の定義を三つに分ける
同じ構図で色だけ違う二枚を、検査は重複と判定しました。知覚ハッシュと File Search の埋め込み検索の守備範囲を距離の実数で切り分け、何を重複と呼ぶかの定義から検査の構成を組み直した判断の記録です。
⬡ 高度な活用2026-08-09
記憶が消えたのではなく、別のプロファイルに書かれていました — Memory profiles のスコープキーを実測で正す
Memory Bank のプロファイルはスキーマとスコープの組で一意になります。呼び出し側でスコープの形がわずかにぶれると、エラーを出さないまま別のプロファイルが増えていきます。分裂の量と、3種類の対処の効き目を同じ条件で測った記録です。
⬡ 高度な活用2026-09-24
Gemini に「合っていますか」と聞くのをやめ、答えを伏せたまま分類し直してもらう設計に変えました
自分で付けたラベルの確認を Gemini に頼むと、頷く答えが返りがちです。確認型・反論指示型・伏せ型の三つを比べて伏せ型を選んだ理由と、答えが漏れる経路の塞ぎ方、食い違いだけを人が見る振り分けのコードまで書き残します。