Gemini 3.5 Pro の公開が7月17日へずれ込んだ、という知らせを見て、正直なところ少しほっとしました。アーキテクチャの刷新で200万トークンのコンテキストと Deep Think Reasoning Layer が入る予定と聞いていて、来てから慌てるより、来る前に手元を整えたいと思っていたからです。延期は待つ時間が延びただけではなく、準備に使える時間が増えたとも受け取れます。
巨大なコンテキストは、届いた瞬間に価値になるわけではありません。何をどれだけ詰めるかを決めていないと、コストとレイテンシだけが膨らみます。ここでは、公開日を待つ間に個人開発の側で測っておきたいこと、決めておきたいことを、具体的な手順に落として並べます。
まず来るものを正確に押さえる
準備の前に、事実だけを確認します。Gemini 3.5 Pro は7月17日の公開が予定され、200万トークンのコンテキストと、段階的に推論を深める Deep Think Reasoning Layer を備える見込みです。日程は変わりうるものですから、期日そのものより「何が変わるか」を軸に準備を組むほうが安全です。
| 準備項目 | 公開前に確認すること |
|---|---|
| 現在のトークン量 | いま投げているプロンプトが実際に何トークンかを測る |
| 詰め込みの是非 | 200万トークンが必要な処理か、分割で足りる処理かを分ける |
| コストの見積もり | 入力が増えた場合の月額の変化を試算しておく |
| Deep Think の対象 | 深い推論が要るタスクと、軽い応答で足りるタスクを仕分ける |
自分のプロンプトが何トークンか測る
「200万トークンあれば全部入る」と考える前に、いま自分がどれだけ使っているかを知るのが先です。私は公開を待つ間に、手元の主要なプロンプトのトークン数を実際に数えました。次のスクリプトは、GenAI SDK の countTokens を使って、送信前に入力の規模を把握するためのものです。
import { GoogleGenAI } from "@google/genai";
const ai = new GoogleGenAI({ apiKey: "YOUR_API_KEY" });
async function measure(text) {
// 送信前に入力トークン数だけを見積もる
const res = await ai.models.countTokens({
model: "gemini-flash-latest",
contents: text,
});
console.log(`${res.totalTokens} tokens`);
return res.totalTokens;
}
measure("ここに実際に投げているプロンプトを入れる");数えてみると、「巨大なコンテキストが要る」と思い込んでいた処理の多くが、実際には数千トークンで収まっていました。私自身、個人開発の壁紙アプリの説明文をまとめて生成する処理を測ったところ、200万トークンどころか、通常の枠で十分に足りていました。規模を知ってから、どこで大きな枠が本当に効くのかを考えるほうが、無駄がありません。
詰め込むべき処理と分けるべき処理を仕分ける
200万トークンが効くのは、長い資料全体を一度に見渡して答える、大量のログを横断して傾向を掴む、といった「全体を同時に参照する必要がある」処理です。逆に、独立した小さな問い合わせを繰り返すだけなら、無理に大きな枠へ寄せるより、分割したほうが速く安く収まります。私は、手元のタスクを「全体参照が要るか」で二つに分け、前者だけを3.5 Pro の巨大コンテキストの候補として印を付けておきました。
公開日に確かめること
7月17日に実際に触れるようになったら、まず小さな入力で応答の質とレイテンシを見て、次に少しずつ入力を増やして、コストと速度がどう変わるかを一度だけ通して測るつもりです。Deep Think を有効にしたときと無効のときで、同じ問いにどれだけ差が出るかも確かめたい点です。事前に測っておいた現在のトークン量があれば、公開後の数字と並べて、巨大コンテキストが自分の用途に見合うかを落ち着いて判断できます。
延期を「遅れた」とだけ捉えると、ただ待つだけの期間になってしまいます。私はこの数日を、手元の規模を測り直す時間に使うことにしました。もし同じように公開を待っている方がいれば、まずは自分のプロンプトを一度数えてみることをおすすめします。お読みいただきありがとうございました。