Gemini × Figma Make でデザインワークフローをAI化する方法【2026年版】
取り組みの背景
Figmaでのデザイン作業は、創造的である一方で、時間がかかります。特に要件整理から初期プロトタイプ生成までの初期フェーズは、何度も試作を重ねることになり、生産性が大きく損なわれてしまいます。
2026年のいま、Gemini APIとFigma Makeを組み合わせることで、この初期フェーズを大幅に自動化できます。自然言語で要件を説明するだけで、Geminiが要件を構造化し、Figma Makeが複数のバリエーションを自動生成する——このワークフローを採用することで、デザイナーは「判断と改善」に集中でき、時間当たりの創造性が飛躍的に高まります。
Gemini × Figma Make ワークフローの全体像
新しいデザインプロジェクトを立ち上げるとき、従来は以下の流れでした:
- 要件をテキストや口頭で説明
- デザイナーが頭の中で整理
- Figmaで1つのデザイン案を制作
- フィードバックを受ける
- 修正を繰り返す
Gemini × Figma Make を使ったワークフローは以下の通りです:
- ステップ1:自然言語で要件を入力 → Gemini API が要件を構造化
- ステップ2:構造化データをFigma Makeに送信 → 複数バリエーションを自動生成
- ステップ3:生成されたデザインを確認 → 気に入った案を選択
- ステップ4:Gemini CLI でHTMLプロトタイプを自動生成 → コードレビュー・改善
- ステップ5:確定 → 開発チームへ引き継ぎ
このワークフローにより、初期フェーズは従来の1/3~1/2の時間で完了します。
ステップ1:Gemini APIで要件を構造化する
デザインプロジェクトのスタート地点は「要件をどのように整理するか」です。ここがあいまいだと、いくらAIを使っても良いデザインは生まれません。
Gemini APIを使って、自然言語の要件をJSON形式の構造化データに変換しましょう。
Gemini APIへの要件入力プロンプト
import json
from google import genai
client = genai.Client(api_key="YOUR_GEMINI_API_KEY")
# デザイン要件(自然言語)
design_brief = """
SNS向けのモバイルアプリのランディングページをデザインしたい。
- 対象ユーザー:20代~30代の都市部の女性
- カラーテーマ:ピンクと白を基調に、アクセントで黄色を使いたい
- コンセプト:「日常に癒しを」という感じで、やさしい雰囲気
- 機能:フィード表示、ユーザープロフィール、いいね機能
"""
# Gemini APIで要件を構造化
response = client.models.generate_content(
model="gemini-2.0-flash",
contents=f"""
以下のデザイン要件を、JSONフォーマットで構造化してください。
以下の項目を必ず含めてください:
- target_audience(対象ユーザー)
- color_palette(カラーパレット:メイン色、サブ色、アクセント色)
- concept(デザインコンセプト)
- typography(タイポグラフィの方向性)
- key_features(主要機能)
- layout_approach(レイアウトのアプローチ)
デザイン要件:
{design_brief}
JSON形式のみで返してください。説明は不要です。
"""
)
design_structure = json.loads(response.text)
print(json.dumps(design_structure, ensure_ascii=False, indent=2))実行結果例:
{
"target_audience": "20代~30代の都市部の女性(ライフスタイル・ウェルネス関心層)",
"color_palette": {
"primary": "#FFB6D9",
"secondary": "#FFFFFF",
"accent": "#FFD700",
"neutral": "#F5F5F5"
},
"concept": "やさしく、親しみやすい。毎日使いたくなる」をコンセプトに、丸みを帯びた優しいデザイン",
"typography": {
"heading": "丸みを帯びたサンセリフ(游ゴシック、Poppins)",
"body": "可読性重視のサンセリフ(Noto Sans JP)"
},
"key_features": ["フィード表示", "ユーザープロフィール", "いいね機能"],
"layout_approach": "カード型レイアウト、スペーシング重視"
}この構造化データが、後のステップで自動生成の精度を大きく向上させます。
ステップ2:Figma MakeでUIバリエーションを自動生成
構造化データが準備できたら、Figma Makeに連携します。Figma MakeはFigmaのオートメーション機能で、条件分岐やAPI連携が可能です。
Figma Make との連携設定
- Figmaで新規ファイルを作成
- Figma Make を起動 (Figmaメニュー → Plugins & apps → Browse plugins → Make)
- 自動化シナリオを作成:
- トリガー:Webhook(Gemini API から構造化データを受信)
- アクション1:フレームを作成
- アクション2:カラーコンポーネントを適用
- アクション3:テキストスタイルを設定
- アクション4:複数バリエーションを複製
Python で Figma Make Webhook を叩く例
import requests
# Figma Make の Webhook URL(あらかじめ設定)
webhook_url = "https://hooks.make.com/path/to/webhook"
payload = {
"design_structure": design_structure,
"variations": [
{"variant": "light", "tone": "minimalist"},
{"variant": "colorful", "tone": "vibrant"},
{"variant": "dark", "tone": "sophisticated"}
]
}
response = requests.post(webhook_url, json=payload)
print(f"Figma Make triggered: {response.status_code}")Figma Make は約2~3分で、3つのUIバリエーションを自動生成します。デザイナーはそれぞれを比較し、気に入った案を選択するだけです。
ステップ3:生成されたデザインを確認・改善する
Figma Make から出力されたUIバリエーションをFigmaで確認します。このステップは 人間にしかできない「美的判断」に集中するチャンスです。
確認するべき項目
- コンセプトとのマッチ度:設定したコンセプト(「やさしく親しみやすい」)がちゃんと反映されているか?
- カラーバランス:メイン色・サブ色・アクセント色のバランスは取れているか?
- 視認性:テキストのコントラスト、フォントサイズは適切か?
- スペーシング:要素間の余白は心地よいか?
気に入った案があれば、それを基に微調整を加えていきます。Figma の「Design System」機能で、修正内容をコンポーネント化しておくと、後の開発フェーズがスムーズです。
ステップ4:Gemini CLI でHTMLプロトタイプを自動生成
デザインが確定したら、次は実装フェーズです。ここで活躍するのが Gemini CLI(コマンドラインツール)とClaude Code のようなAIコード生成ツールです。
Figma → コード変換の流れ
- Figmaデザインをエクスポート → PNG または Design Tokens(JSON)形式
- Gemini CLI で解析 → UIの構成を抽出
- Claude Code で HTML/CSS を自動生成 → コンポーネント化
- Gemini で JavaScript 機能を追加 → インタラクション実装
Gemini CLI での解析例
# Figmaのスクリーンショットを Gemini API に送信
curl https://api.gemini.google.com/v1/files/upload \
-H "Authorization: Bearer YOUR_GEMINI_API_KEY" \
-F "file=@landing-page.png"
# 出力されたファイル ID を使用して解析
gemini analyze \
--image-id "files/..." \
--prompt "このUIをHTMLコンポーネントとして実装するためのコード例を示してください。\
フレキシブルなカード型レイアウトを使用し、Tailwind CSS で実装してください"生成結果(一部):
<!-- Hero Section -->
<section class="bg-gradient-to-r from-pink-100 to-pink-50 py-20">
<div class="max-w-4xl mx-auto px-6">
<h1 class="text-5xl font-bold text-gray-900 mb-4">
日常に癒しを
</h1>
<p class="text-xl text-gray-700 mb-8">
毎日を少しずつ、心地よくするコミュニティ
</p>
<button class="bg-yellow-400 hover:bg-yellow-500 text-gray-900 font-bold py-3 px-8 rounded-full">
今すぐ始める
</button>
</div>
</section>
<!-- Feed Section -->
<section class="py-20">
<div class="max-w-4xl mx-auto px-6">
<h2 class="text-3xl font-bold mb-12">タイムライン</h2>
<div class="grid gap-6">
<!-- Card component -->
<div class="bg-white rounded-3xl shadow-md p-6 hover:shadow-lg transition">
<!-- Content here -->
</div>
</div>
</div>
</section>このように、Gemini がUIのスクリーンショットからコードを生成してくれます。もちろん完全ではないため、開発者による確認・微調整が必要ですが、ゼロからコーディングするより格段に効率的です。
ステップ5:Gemini でコードレビュー・最適化
生成されたHTMLコードを、Gemini にコードレビューしてもらいます。
コードレビュープロンプト
html_code = """
<!-- 生成されたHTMLコード -->
"""
review_response = client.models.generate_content(
model="gemini-2.0-flash",
contents=f"""
以下のHTMLコードをレビューしてください。
チェック項目:
- アクセシビリティ(a11y)の問題はないか?
- レスポンシブデザインは十分か?
- パフォーマンス最適化の余地はないか?
- SEOメタタグは適切か?
改善提案があれば、具体的なコード例を示してください。
{html_code}
"""
)
print(review_response.text)Gemini はアクセシビリティやパフォーマンスの観点から指摘を加え、改善案を提示します。
実践例:SPA型ランディングページの場合
ここまでの流れを、実際のプロジェクトで実践してみましょう。
要件定義(自然言語)
タイプ:SPA型ランディングページ
業種:教育テック(オンライン学習)
ターゲット:25~40歳の社会人(スキルアップ志向)
色:青を基調に白・グレーで統一
トーン:信頼感と新しさの融合
Gemini で構造化
{
"page_type": "SPA_landing",
"color_scheme": {
"primary": "#0066CC",
"secondary": "#FFFFFF",
"accent": "#00D4AA",
"text": "#333333"
},
"sections": [
"hero",
"features",
"testimonials",
"pricing",
"cta"
]
}Figma Make で自動生成
3~5分後、3つのバリエーション(ミニマル型、情報豊富型、ダイナミック型)が生成されます。
開発フェーズ
気に入ったデザインをHTMLに変換 → Gemini でコードレビュー → 開発チームへ引き継ぎ
この流れなら、初期デザイン~コードレディまで 1~2営業日で完了します。
まとめ
Gemini × Figma Make のワークフローは、デザイナーの創造性をもっと高次なタスクに集中させるために最適です:
- 構造化・自動化するべき仕事:Gemini & Figma Make に任せる
- 人間の美的判断が必要な仕事:デザイナーが集中する
この役割分担により、プロジェクトのスピードアップと品質向上の両立が実現します。
2026年のデザインワークフローは、もはや「AIとの協働」が当たり前です。まだ試したことがなければ、ぜひ次のプロジェクトで試してみてください。