受託でお預かりしているサイトに載せる説明図を一枚作ろうと思い、朝いちばんに gemini.google.com を開きました。左のサイドバーに並んでいるはずの「画像」が、どこにも見当たりません。
前の晩には触っていたはずのものです。プロダクトの更新情報を追い、ヘルプの新着を眺め、十五分ほど経ったところでブラウザの右上に目が行きました。いつもと違うプロファイル——仕事用のアカウントで開いたまま、個人アカウントの記憶で画面を探していたのです。
Gemini アプリの画像機能は、ひとつのスイッチで開け閉めされているわけではありません。年齢が二段階で効き、その手前にアカウントの種類という線が立っています。自分がどの線で止まっているかが分かると、不具合かどうかも、次に誰へ連絡すればよいかも決まります。
入口が消えたように見えた朝は、機能を疑う前に、いま自分が誰としてログインしているかを確かめます。 三十分近くを遠回りに使ったと気づいたのは、ブラウザを閉じようとして手が止まった瞬間でした。
「作る」と「直す」で、必要な年齢が違います
公式ヘルプを読み直していちばん意外だったのが、ここでした。画像を生成することと、出てきた一枚を編集することは、同じ機能の表と裏のようでいて、必要な年齢が別々に書かれています。
- 画像を生成する — 13 歳(またはお住まいの国の該当する年齢)以上
- 画像を生成および編集する — 18 歳以上
編集については「18 歳未満のユーザーは、画像編集機能を利用できません」と、ヘルプ本文に言い切られています。
つまり、作ることはできるのに、出てきた一枚を直そうとしたときだけ手が止まる、という状態が起こり得ます。しかもそれは不具合ではなく仕様です。途中までは動いてくれるものですから、家族のアカウントで試している方ほど「設定は合っているはずなのに」と別の場所を探してしまうのではないでしょうか。
年齢は画面上の申告ではなく、Google アカウントに保存された生年月日で効きます。ファミリーリンクで管理しているアカウントであれば、保護者の側の設定で 13 歳未満の利用をオフにできますし、ファミリーリンクで管理されたアカウントは現時点で Gemini ウェブアプリにアクセスできないとも書かれています。本人の画面をどれだけ触っても届かない層が、手前に用意されているのです。
仕事用と学校用では、管理者の判断が先に立ちます
ログインに使えるアカウントは、三種類に分かれています。
- 個人の Google アカウント
- 対象となる Workspace エディションの仕事用アカウント(利用者は 18 歳以上)
- 学校用アカウント(組織の管理者が利用を許可していること)
画像のヘルプには、学校用アカウントでログインしている場合はアクセス制限が異なる場合がある、と添えられています。18 歳未満の学校アカウントでは、生成した画像をドキュメントへエクスポートできないという条件も別に立っています。
私がつまずいたのは、この手前でした。仕事用のプロファイルで開いていることに気づかないまま、個人アカウントのつもりで入口を探していたのです。個人開発の作業と受託の作業でブラウザのプロファイルを分けている方ほど、同じ取り違えをしやすいのかもしれません。
そして、仕事用と学校用で機能が出てこない場合、本人の側でできることはほとんど残っていません。決めているのは組織の管理者だからです。ここを先に見分けられれば、設定画面を往復する時間はまるごと省けます。
三つの線を並べると、連絡する相手が決まります
止まっている場所ごとに、確かめる場所と連絡先をまとめました。上から順に見ていただくのが早いはずです。
| 止まっている線 | 画面で起きること | 確かめる場所 | 連絡する相手 |
|---|---|---|---|
| ログインしていない | 画像の生成そのものが使えません | 画面右上のアカウント表示 | 連絡は要りません。ログインで解けます |
| アカウントの種類 | 個人では出るのに、仕事用・学校用では入口が現れません | ブラウザのプロファイルと、ログイン中のアドレス | 組織の Google Workspace 管理者 |
| 13 歳の線 | 画像の生成が使えません | Google アカウントの生年月日、ファミリーリンクの設定 | そのアカウントを管理している保護者 |
| 18 歳の線 | 生成はできるのに、編集だけできません | 同上 | 同上 |
| 言語と国 | 一部のバージョンの Gemini アプリで提供されていません | 対応言語と国を記載したヘルプ | 連絡先はありません。提供を待つことになります |
表のいちばん下だけは、誰に聞いても答えが変わりません。機能の提供は、アプリのバージョンがサポートする言語と国に限られると明記されています。待つと決めてしまったほうが、気持ちの上でも楽なのです。
「エラーが発生しました」からは、絞り込めません
ログインのヘルプには、二通りのメッセージが並んでいます。片方の「このサービスにアクセスできない」には、年齢とアカウントの種類に踏み込んだ説明が付きます。もう片方の「エラーが発生しました」については、場所・年齢・アカウントの種類など、さまざまな理由が考えられるとだけ書かれています。
後者が出たときに文面を読み込んでも、原因は絞り込めません。上の表を自分で順に潰していくほうが、結局のところ早く終わります。
入口の位置そのものを取り違えている場合もあります。パソコンの画面では、左上の「サイドバーを開く」から [画像] を選ぶところが入口です。どの Nano Banana が動くかは、Gemini のモデル設定に連動します。Flash-Lite なら Nano Banana 2 Lite、Flash か Pro なら Nano Banana 2 が選ばれ、有料プランでは生成後に「Pro でやり直す」で Nano Banana Pro に渡せます。設定の場所が一つだと思い込んで探し続ける構図は、チャットの履歴を消しても前提が残る話と同じでした。そちらは チャットを消しても前提が残っていたのは、消す場所がもう一つあったからでした に書いています。
連絡する前に、三行だけ書き出しておきます
今日できることを一つだけ挙げるなら、管理者や家族に相談する前に、次の三行を手元に書き出すことです。
- いまログインしているメールアドレス
- そのアカウントの種類(個人・仕事用・学校用)
- 生成と編集のどちらで止まったか
この三行があるだけで、返ってくる答えが「確認します」から「その設定はこちらで変えます」に変わります。私自身、受託先とのやり取りでこれを一度試してから、往復を一度で終わらせられるようになったと感じています。
私が Gemini に頼んでいるのは、記事に添える説明図や、ストア用のキャプチャを整える作業までです。作品そのものは手を動かして作っていますので、図が一枚出てこないだけで朝の時間が溶けるのは、やはり惜しく感じます。
同じ「使えない」でも当たっている壁が違う例は、ファイルを受け取ってもらえないときの話にもあります。「大きすぎます」と言われた PDF を分ける前に — Gemini アプリで先に確かめる3つの上限 に、そちらの見分け方を書きました。
裏付けは公式ヘルプの Gemini アプリで画像を生成、編集する と Gemini アプリへのログインに必要なもの の二本です。条件は静かに変わっていくものですので、迷ったときはこの二本に戻っていただければと思います。
読んでくださってありがとうございました。朝の十五分が誰かの手元で戻りましたら、書いた甲斐があります。