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◈ API / SDK/2026-09-08初級

値上げの日をまたぐ費用の見積もりを、はじめから二段で書く

Gemini Flash の導入価格は2026年12月31日で終わり、2027年1月1日から標準価格に切り替わります。世代を据え置いても避けられないこの日を、はじめての費用見積もりでどう扱うか。動くコードとともに書き残します。

Gemini API249料金9コスト管理17Flash3個人開発121

✦ プレミアム記事

来年ぶんの費用を見直していた夜、表計算の隅に手で打ち込んだ「0.75」という数字を、しばらく眺めておりました。個人開発で動かしているバッチはどれも小さいのですが、毎日走る本数だけは増えておりまして、月末の請求はいつも予想の少し外側に着地します。

そのとき私が考えていたのは、こういうことでした。新しい Flash に上げなければ、この単価のままでいられる——。

念のためにと思って移行のドキュメントを開き直し、手が止まりました。読み違えていたのです。

導入価格の終わりは、モデルの世代についていません

Google の「What's new in Gemini 3.8 Flash」には、価格についてこう書かれています。導入価格は 100万トークンあたり入力 0.75 ドル・出力 3.75 ドルで、2026年12月31日まで。標準価格の入力 1.50 ドル・出力 7.50 ドルは2027年1月1日から適用されます。

私が読み違えていたのはここから先でした。同じページの Pricing の節には、この導入価格が Gemini 3.8 Flash・Gemini 3.7 Flash・Gemini 3.6 Flash に対して適用されると書かれています。つまり期限は、モデルの世代ではなく暦のほうに付いています。

古い世代に据え置いても、その日は同じように来ます。「乗り換えなければ単価は変わらない」という私の前提は、はじめから成り立っていませんでした。

これは意地悪な仕様ではなく、単に私の思い込みでした。単価の数字だけを見て、その数字がいつまでのものかを確かめなかったのが原因だったのかもしれません。ただ、思い込みのまま数字を置いた表計算は、来年の一月に静かに嘘をつきます。表計算は警告を出してくれません。

見積もりが壊れるのは、価格を「数字」として書いたときです

私は長いあいだ、費用の見積もりを表計算で作っておりました。単価のセルに手で 0.75 と打ち、トークン数を掛けて、月額を出しておりました。それで十分だと思っていたのです。

うまくいかなくなったのは、使うモデルが増えてからでした。壁紙アプリ側の分類バッチと、サイト運用側の翻訳の下ごしらえで別のモデルを使い始めた月に、シートの単価が何のものだったのか分からなくなりました。セルには数字しか残っていないからです。いつの価格なのか、どのモデルのものなのか、誰が更新したのか——どれも数字の中には入っていません。

最初のうちは、シートにメモ欄を足して凌ごうとしました。結果は芳しくありませんでした。メモは更新されないまま古びていき、数字だけが独り歩きします。

いまは線引きを変えました。価格は数字ではなく、いつからいつまで有効かを添えた記録として書き残します。 手で打った 0.75 を疑えるようにしておくこと。それだけで、来年の一月をまたぐ計算が自分の手に戻ってきます。

以下は、その考え方をいちばん小さな形にした一本です。Python と、標準ライブラリだけで動きます。

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✦価格が切り替わる日をまたいでも壊れない費用の見積もりを、自分の手で一本つくれるようになります
✦古い世代に据え置けば値上げを避けられる、という思い込みを先に外したうえで乗り換えを判断できるようになります
✦価格を数字のまま埋め込んでしまい、来年の請求ではじめて気づく、という遠回りを避けられるようになります
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