新しい機能が告知された週は、だいたい全部を一度は試します。ところが半年たって使っている画面を振り返ると、毎週開くものは驚くほど少ないのです。
先日、個人開発しているアプリのストア説明文を整理していて、そのことに気づきました。Docs を開く回数は変わらないのに、Gemini のボタンを押した記憶がほとんどありませんでした。
3月10日に告知された Docs・Sheets・Slides・Drive の Gemini 機能を、10月のいま棚卸ししてみました。
3月の告知で何が増えたのか
当時の報道を整理すると、おおよそ次の内容でした。提供はベータ段階で、Google AI Ultra と Pro の契約者へ先に開き、言語は英語から始まる、という案内です。
| アプリ | 告知された機能 | 向く仕事 |
|---|---|---|
| Docs | ファイルやメールの情報を集めて文書を下書き/「文体を合わせる」「書式を合わせる」 | 定型文書の叩き台、既存資料の体裁そろえ |
| Sheets | 指示から表を新規作成/「Gemini で埋める」で要約・分類・Web 情報を自動入力 | 分類作業、一覧表づくり |
| Slides | 手元の素材からスライドを生成 | 資料の初稿 |
| Drive | Gmail・チャット・Drive の内容から文書・スライド・表を生成(先に米国) | 散らばった情報の集約 |
提供範囲は当時の案内で、いまのアカウントで使えるかどうかは別の話です。仕分けの前に、ご自身の画面で一度確かめていただくのが確実です。
仕分けの基準は「手を動かす回数が減ったか」だけ
機能の出来を評価し始めると、いつまでも終わりません。私は基準を一つに絞りました。
その機能を使って、自分の手作業が実際に減ったか。
減っていれば残します。減ったかどうか分からなければ保留、減らなかったなら外します。外すといっても、機能が消えるわけではありません。「毎週の選択肢から降ろす」だけです。
私の仕分け結果
結果は次の表のとおりです。数字で測ったものではなく、半年の手触りです。
| 機能 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| Sheets の「Gemini で埋める」 | 残す | 列ごとに分類や要約を任せる作業は、結果の見直しが短く済みました |
| Docs の「文体を合わせる」 | 保留 | 効く文書と効かない文書の差が大きく、まだ見極め中です |
| Slides の生成 | 外す | 初稿は出ても、結局は構成から自分で組み直しました |
| Drive をまたぐ生成 | 未確認 | 提供が先に米国だったため、手元では判断できていません |
「Gemini で埋める」だけは、実際の仕事に組み込みました。多言語のストア文言を表に並べて埋める使い方は、別の記事にまとめています。詳しくは Sheets の Gemini 入力で多言語のストア文言を埋める をご覧ください。
外した機能から学んだこと
Slides の生成を外した理由は、出来が悪かったからではありません。初稿が出るまでの時間は確かに短くなりました。それでも、私にとって資料づくりの重みは「何を伝えるか」を決める工程にあり、そこは生成に任せられなかったのです。
つまり、機能が置き換えてくれたのは私の作業の中でも軽い部分でした。重い部分が残る以上、手間は思ったほど減りません。
逆に「Gemini で埋める」は、判断の重さがほぼ入らない反復作業を丸ごと引き受けてくれました。向き不向きは、機能の優劣ではなく、作業のどこが重いかで決まるのだと思います。
今日やる棚卸しの手順
機能の数が多いと、棚卸しそのものが負担になります。そのため、時間を区切って一気に済ませるほうが続きます。
次の3つを、15分ほどで済ませてみてください。
- 各アプリで Gemini のボタンを開き、使える機能を書き出します(使えないものは「未確認」にします)
- 直近の半年で実際に押した機能に、印を付けます
- 印のない機能は、来月まで開かないと決めます
半年使わなかった機能は、いったん視界から外しておきます。 これだけで、画面のにぎやかさが少し静まります。
次に新しい機能が告知されたら、今回の3分類をそのまま当てはめてみるところから始めていただければと思います。