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Gemini 入門/2026-04-27中級

Gemini Gems の Custom Instructions を使いこなす — 検証して分かった指示設計の勘所

Gemini Gems の Custom Instructions は、書き方ひとつで応答品質が大きく変わります。私が複数の Gem を運用して見えてきた、効く指示文と効かない指示文の差を整理します。

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Gemini Gems の Custom Instructions 機能を初めて使ったとき、私は素朴に考えていました。「指示を細かく書けば、その通りに動くはずだ」と。

実際に 6 つの Gem を 2 ヶ月運用してみると、この想定は半分正しく、半分間違っていました。指示は細かく書くだけでは効きません。むしろ 構造とバランスが全てなのです。

この記事は、私が実際に試して「あ、これは効く」「これは無駄」と判定した指示文の法則を、そのまま共有するものです。

Custom Instructions が効く Gem と効かない Gem の差

まず最初に、私が気付いたことは単純です。良い Gem は、Custom Instructions がなくても(ある程度)動く。悪い Gem は、どれだけ詳しい指示を書いても、応答が定まらない

これは矛盾しているように聞こえます。でも実際はそうではなく、「そもそも何をさせるべきか決まっていない Gem」に対して、細かい指示を重ねても効果がないということです。

例えば、私が運用している「ブログ記事の校正Gem」。最初の 1 ヶ月は、指示を 500 字以上書いていました。「敬体を使うこと」「冗長な表現を削ること」「一人称で書くこと」……しかし応答は日によってバラバラ。

ある日、指示をガッツリ削って「敬体の自然な日本語ブログ記事に校正してください。前後の脈絡を大事にしながら、行き過ぎた修正はしないでください」の 2 文に絞りました。応答が安定しました

理由は明確です。「何をさせるか」が決まっていれば、モデルはそれを軸に判断します。でも「何をさせるか」が曖昧なまま細かい条件が積み重なると、モデルはどの条件を優先させるか迷い始めるのです。

私が辿り着いた指示文の 5 要素構造

では、「効く指示」とは何か。2 ヶ月の試行錯誤の末、私は 5 要素に集約しました。

1. 役割定義(Role)

「あなたはブログ編集者です」「あなたはコード見直しの専門家です」。モデルに対して、一人の人間格を与える。これは単なる演技ではなく、モデルに「その役割として典型的な判断」をさせるための仕掛けです。

2. 主要タスク(Primary Task)

「〜を校正してください」「〜をコードレビューしてください」。1 文で終わる、単純な命令。ここに複雑性を持ち込んではいけません。

3. 制約条件(Constraints)

「ただし、敬体は保つこと」「ただし、ビジネスロジックは変えないこと」。否定形(〜しないでください)よりも肯定形(〜を保つこと) を心がけます。否定形は「何をするか」より「何をしないか」が前に出るため、モデルを混乱させやすいです。

4. 出力フォーマット(Output Format)

「修正前と修正後を分けて示してください」「JSON で返してください」。ここが 最も効き目がある部分 だと私は感じています。フォーマットを明示することで、モデルの自由度を制限する代わりに、応答の再現性が跳ね上がります。

5. コンテクスト(Context)

「このブログは初心者向けです」「読者は開発経験が浅い方です」。背景情報を与えることで、モデルが「何が大事か」を判断しやすくなります。

「役割定義」を曖昧にしない書き方

Custom Instructions で最も使い途がある要素は、役割定義です。ところが、ほとんどの人(かつての私も)はここを甘く見ています。

「あなたはプロンプトエンジニアです」では弱すぎます。なぜなら「プロンプトエンジニア」は人によって定義が違うからです。

効く書き方は、役割に付属する行動規範まで書くことです。

あなたは、ユーザーの曖昧な要望を聞いて、
段階的に質問を重ね、最後に「この要望ですね?」と 
確認する プロンプトエンジニアコンサルタント です。
回答を与える前に、必ず 3 つの質問で要望を掘り下げてください。

この書き方だと、モデルは「単なる専門家」ではなく、「確認を重視する専門家」という一貫した人格で動きます。

対比として、曖昧な例を示します。

あなたはプロンプトエンジニアです。ユーザーのニーズを
理解して、最高のプロンプトを作ってください。

これでは、モデルは「プロンプトエンジニア」の定義を自分で決めることになり、回答が定まりません。

出力フォーマット指定の効果検証

Custom Instructions で私が最も頻用しているのは、実は出力フォーマットの指定です。

例えば、複数の Gem で「ユーザーの入力を分類する」機能をさせています。最初は「カテゴリA、B、C のどれですか?」と聞いていたのですが、モデルの応答がぐちゃぐちゃでした。

指示を変えました。

以下の形式で、必ず JSON で回答してください:

{
  "category": "A" | "B" | "C",
  "confidence": 0.8,
  "reasoning": "理由を 1 文で"
}

JSON のみを返してください。説明は不要です。

効果は劇的でした。応答の形が固定される ことで、ユーザー側の処理も簡単になり、モデルの「何を返すべきか」の判断もぶれなくなりました。

フォーマット指定がなぜ効くのか。理由は、モデルに対して「あなたの自由度はここまで」と明確に線を引くことができるからです。自由度が無限大だと、モデルは「どの形式が好まれるか」で迷い始めます。

よくある失敗パターン 3 つ

1 年間、Gemini を使い続けてきた私が「これは落とし穴だ」と感じたパターンを 3 つ挙げます。

パターン 1: 指示が長すぎる

500 字以上の指示は、ほぼ効きません。なぜなら、モデルは長い指示の中から「本当に大事なこと」を自分で判定する必要があるからです。その判定が揺らぐと、応答がぶれます。

私の経験則:指示は 200 字以下に抑える。それ以上のボリュームが必要なら、その Gem の設計そのものを見直すべき信号です。

パターン 2: 役割と制約が混在している

「あなたはブログ編集者です。ただし、学術的な正確性を損なわないでください」

この書き方は曖昧です。「ブログ編集者」と「学術的正確性の守人」は、時に対立します。モデルは両者のバランスをとろうとして、結果として曖昧な応答をします。

改善策:制約が大事なら、役割定義に織り込みます。

「あなたは、学術的正確性を最優先としながら、 ブログ記事を親しみやすい表現に整える編集者です」

パターン 3: 出力フォーマットが「希望形式」になっている

「できれば JSON で返してください」「Markdown 形式が良いです」

こういう曖昧な指示では、モデルは「別の形式でも良いかもしれない」と判断し始めます。

必須形式として明示する: 「以下の JSON 形式でのみ回答してください」。

改善の継続: ログから指示を磨く

Custom Instructions を書いたら、そこで終わりではありません。実際の応答ログを見て、何度も磨く 必要があります。

私は毎週、運用中の Gem の応答ログを読み直します。パターンを見つけます。「この Gem は、こういう入力のときに外れる」という法則が見えたら、Custom Instructions に 1 文追加します。

例えば、私の校正 Gem は「敬体か常体か判断が揺らぐ」という問題を 2 週間抱えていました。入力の半分は敬体で書かれ、半分は常体。Gem は混在させることがありました。

指示に 1 文追加しました:「入力が敬体で書かれている場合は、敬体で統一してください。常体は修正してください。」

それで解決しました。

重要なのは 1 度に 1 つだけ追加 することです。複数の変更を同時にすると、どの変更が効いたのか、逆に悪化させたのか、判定できなくなります。「敬体ルールを追加したのか、それとも冗長削除の条件を直したのか、どちらが改善につながったのか」が不明確になるからです。

また、変更直後の 3 ~ 5 日間は、応答のぶれが大きくなることがあります。モデルが「新しい指示をどう解釈するか」を学習しているのだと考えています。この期間を乗り越えたら、応答が安定するか確認してから、次の改善に進みます。

1 週間後、さらにログを読み直して、新しいパターンが見えたら、また 1 文追加します。この積み重ねが、信頼できる Gem を育てます。

Custom Instructions はセット・アンド・フォーゲットではなく、継続的にチューニングする対象 だということです。


Gemini Gems を運用していると、「完璧な指示を書く」という考え方は幻想だと気付きます。大事なのは「現在の指示で、どこが外れているか」を素早く見つけて、1 つずつ直していく改善の速度なのです。

その改善の土台になるのが、この記事で紹介した 5 要素の構造です。役割から出力フォーマットまで、どこが弱いか診断しやすくなり、修正も的確になります。

実際、6 つの Gem を運用している私の経験では、最初の 2 週間は毎日何かしら改善点が見つかります。でも 4 週間目には改善ペースが落ちます。応答が安定してくるからです。

次に Gems を作るときは、この 5 要素を頭に入れながら、最初の指示を(短く)書いてみてください。そして 1 週間後、応答ログを見ながら改善します。その繰り返しが、本当に「効く」Gem を育てていきます。

一度安定した Gem は、その後ほとんど手をかけずに動き続けます。その時点では Custom Instructions はもう、修正対象ではなく、信頼できる仕様書に変わっているのです。

Gemini Gems のカスタム指示とは

Gemini Gems は、Gemini のペルソナや振る舞いを細かくカスタマイズできる機能です。カスタム指示を設定することで、Gemini があなたの期待通りに応答するようになります。

カスタム指示の基本的な役割

カスタム指示は、Gemini に対する「ルール」や「前提条件」として機能します。例えば:

  • 役割設定: 「あなたは経験豊富なプログラマーです」
  • 出力形式の指定: 「必ず JSON 形式で返してください」
  • トーン・スタイル: 「専門用語は避け、中学生にもわかる説明をしてください」
  • 制約の明示: 「機密情報には言及しないでください」

これらの指示が正しく機能すれば、Gemini の応答はより有用で、一貫性のあるものになります。

カスタム指示の設定場所

Gemini Gems のカスタム指示は、Gemini の Web インターフェース(gemini.google.com)の左メニューから「Gems」→「新しい Gem を作成」を選び、各 Gem のプロフィール編集画面で設定します。

よくある「効かない」パターンと原因

カスタム指示が機能しない場合、複数の原因が考えられます。以下、よくあるパターンを順に確認していきましょう。

パターン1: 指示が曖昧すぎる・矛盾している

最も多い原因は、カスタム指示自体が不正確または曖昧だというケースです。

例えば、以下の指示では Gemini は混乱します:

悪い例:

プロっぽく話して。
親しみやすく説明して。

これらは同時に成立しにくく、Gemini がどちらを優先すべきか判断できません。

良い例:

あなたは企業向けのテクニカルサポート担当者です。
専門用語は一度目の使用時に括弧で定義を付け、
その後は専門用語をそのまま使用してください。
ユーザーは初級から中級レベルの知識を持つプログラマーと仮定してください。

より具体的で、矛盾がない指示の方が、Gemini は正確に反応します。

パターン2: Gemini のバージョンやプランによる機能制限

カスタム指示の機能は、Gemini のプラン(Free / Gemini 2.0 Flash / Gemini 2.0 Pro など)によって異なる場合があります。

  • Free プラン: カスタム指示の機能が限定的な場合があります
  • Gemini 2.0 Pro: 完全なカスタム指示機能をサポート

ご自身の現在のプランを確認してください:

  1. gemini.google.com にアクセス
  2. 画面左下のプロフィールアイコンをクリック
  3. 現在のプラン(Free / Gemini 2.0 Pro など)を確認

プランが限定的な場合は、アップグレードを検討する価値があります。

パターン3: ブラウザキャッシュ・ログイン状態の問題

Web ブラウザのキャッシュが古い Gem の設定を保持していることがあります。

解決手順:

  1. 現在の Gem から ログアウト してください
  2. ブラウザのキャッシュをクリア(Ctrl+Shift+Delete / Mac は Cmd+Shift+Delete)
  3. gemini.google.com に再びアクセスして、再ログイン
  4. 該当の Gem を開き直す

また、複数のデバイスやブラウザプロファイルでアクセスしている場合は、全デバイスでキャッシュをクリア してください。

パターン4: カスタム指示の文字数制限やフォーマットの問題

Gemini Gems のカスタム指示には、以下の制約があります:

  • 最大文字数: 約 2,000 文字(バージョンにより異なる)
  • 改行: サポート対象ですが、過度な改行は避ける

指示が長すぎる場合は、最も重要な要件に絞り込んでください。

改善例:

【指示を整理する前】
あなたはプログラマーです。Pythonが得意です。
日本語で話してください。
わかりやすく説明してください。
必ずコード例を付けてください。
セキュリティのベストプラクティスにも言及してください。
常に初心者目線で考えてください。

【指示を整理した後】
役割: 初心者向けの Python プログラミングチューター
出力フォーマット: 説明 → コード例 → セキュリティのヒント
言語: 日本語
トーン: 初心者向けで親しみやすく、ただし正確性を損なわない

パターン5: 会話の文脈が指示を上書きしてしまう場合

Gem のカスタム指示は「デフォルト」の指示ですが、実際の会話の流れ の方が優先される場合があります。

例えば、カスタム指示で「JSON 形式で返す」と設定していても、ユーザーが「プレーンテキストで答えて」と明示的に求めると、Gemini はプレーンテキストで応答することがあります。

この動作は仕様です。カスタム指示は「一般的なデフォルト」として機能し、ユーザーのその場での指示が上書きします。

効果的なカスタム指示の書き方

では、実際に効果的なカスタム指示を書くコツを紹介します。

基本テンプレート

【あなたの役割】
[具体的な職業・立場を明記]

【出力形式】
[マークダウン / JSON / 箇条書き など]

【トーン】
[専門的 / 親しみやすい / ユーモア交じり など]

【対象ユーザー】
[初心者 / 上級者 / 非技術者 など]

【禁止事項】
[機密情報の言及 / 過度なダジャレ など]

具体例

例1: コーディングアシスタント

【役割】
あなたは 10 年以上の経験を持つ React / TypeScript エンジニアです。

【出力形式】
- 説明(1~2 段落)
- 改善コードと改善点の解説
- 性能・セキュリティ面のベストプラクティス

【対象ユーザー】
初級~中級の Web フロントエンド開発者

【トーン】
専門用語を多用してOK。ただし新しい概念は簡潔に説明する。

【重要】
- 必ずコード例を含める
- テストの書き方も簡潔に言及する

例2: ライティングアシスタント

【役割】
あなたはフリーランスのプロライター兼エディターです。

【出力形式】
改稿案 → 修正理由(箇条書き)

【スタイル】
日本語は自然で、読みやすく。必要に応じて言葉遣いをカジュアルに調整。

【対象読者】
ビジネスブログの読者(初級~中級知識)

【禁止事項】
- 過度な敬語(堅くなり過ぎる)
- 長い複文(1文は最大 30 文字が目安)

例3: 翻訳特化Gem

【役割】
専門的で正確な日英翻訳者

【言語ペア】
日本語 → 英語(その逆も対応)

【対象分野】
テック・SaaS ブログ

【ガイドライン】
- 技術用語は英語のまま(例:API, SDK, Cloud)
- 日本語固有表現は文化的背景を保持した翻訳にする
- 自然な英語を心がける(直訳禁止)

設定が反映されない場合のトラブルシューティング

具体的な手順を確認していきましょう。

ステップ1: Gem の再作成

カスタム指示に大きな変更を加えた場合は、一度 Gem を削除して再作成することをお勧めします:

  1. 左メニューから該当 Gem を右クリック → 削除
  2. 「新しい Gem を作成」をクリック
  3. 新しいカスタム指示を入力し、保存

ステップ2: 設定確認画面の確認

Gem 作成後、以下が正しく設定されているか確認してください:

  • Gem 名: わかりやすい名前がついているか
  • 説明: Gem の用途が簡潔に書かれているか
  • カスタム指示: 空白でないか(1 文字以上の指示がセットされているか)

ステップ3: テスト質問を投げかける

設定完了後、簡単なテスト質問 で Gem の反応を確認してください。

例)カスタム指示で「JSON 形式で返す」と設定した場合:

Q: 以下の日本の都市を JSON 形式で返してください。
東京、京都、大阪

Gem が JSON 形式で正しく応答すれば、設定は成功しています。

ステップ4: 別ブラウザでテスト

同じ Gem に別のブラウザ(Chrome / Safari / Firefox など)でアクセスして、同じ設定が反映されているか確認します。特定ブラウザだけで問題が生じている場合は、キャッシュクリアで解決する可能性があります。

Gemini Gems を最大限活用するコツ

用途別テンプレート

最後に、よくある用途ごとの「すぐ使えるテンプレート」を紹介します。これらをベースに、ご自身のニーズに合わせてカスタマイズしてください。

テンプレートA: プログラミングメンター

【あなたの役割】
経験豊富なソフトウェアエンジニアで、初心者向けのコーディング教育に定評があります。

【指導スタイル】
1. まず概念を説明し、次にコード例を示す
2. 「なぜ」をいつも説明する
3. セキュリティ・パフォーマンスの最良実践をさりげなく含める

【言語・フォーマット】
- 言語: 日本語
- コード: マークダウンのコードブロック
- コメント: 日本語で丁寧に

【対象学習者】
プログラミング初級~中級者

テンプレートB: ビジネス文書作成

【あなたの役割】
企業研修の講師経験を持つビジネス文書ライター

【文体】
敬語は適切に。ただし、冗長性は避ける。
専門用語は初出時に定義する。

【出力フォーマット】
文書案 → 改善ポイント(箇条書き)

【対象読者】
取引先の経営層・マネージャー層

テンプレートC: クリエイティブライティング

【あなたの役割】
受賞経歴を持つコピーライター兼クリエイティブディレクター

【重視する要素】
1. 読者の感情に訴える
2. 簡潔で力強い表現
3. ブランドボイスの一貫性

【禁止事項】
- 過度な装飾語
- 事実でない誇大表現

【出力フォーマット】
案文 → キャッチコピー候補 3 案

Gemini Gems のカスタム指示は、適切に設定すれば、AI アシスタントの効果を劇的に高めることができます。このガイドを参考に、ご自身にぴったりの Gem を育てていってください。もし問題が解決しない場合は、Google の公式サポートに問い合わせることもお勧めします。

取り組みの背景

Gemini Gems を作成して、カスタム指示を設定したのに「期待通りの応答が返ってこない」「指示が反映されていないように見える」といったお悩みをお持ちではないでしょうか。

こうした現象は、実は多くの方が経験される課題です。多くの場合、設定や使い方にちょっとした工夫を加えるだけで、Gems の応答品質は劇的に改善します。

このガイドでは、カスタム指示が反映されない原因を整理し、それぞれの対処法を具体的にお伝えします。この記事が少しでもお役に立てれば嬉しいです。

よくある原因1: インストラクションの書き方が曖昧

Gems が期待通りに動かない最も一般的な原因は、インストラクション(カスタム指示)の書き方そのものです。

曖昧な指示の例

あなたはビジネスメールの専門家です。
自然で丁寧なメールを書いてください。

このような指示では「自然」「丁寧」の定義が Gem とあなたとで異なる可能性があります。

具体的にする工夫

あなたはビジネスメールの専門家です。以下のルールに従ってください:
1. 敬語は「です・ます調」を使用する(~ごとくなど古い表現は避ける)
2. 一文は最大30文字を目安に短く区切る
3. メールの構成は「挨拶→本題→締め」の3段落とする
4. 送信相手が上司の場合は必ず「お疲れさまです」で始める
5. 結びは「よろしくお願いいたします」または「ご検討のほどよろしくお願いいたします」に統一する

このように具体的で数値化された指示にすることで、Gem はあなたの期待に合った応答をできるようになります。

よくある原因2: Gem のキャッシュが古いままになっている

Gems は一度作成すると、ブラウザのキャッシュに保存される場合があります。インストラクションを修正しても、古いバージョンが読み込まれていると変化が見られません。

対処法

ブラウザのキャッシュをクリアする:

  1. Chrome の場合:Ctrl + Shift + Delete キーを押す(Mac は Cmd + Shift + Delete
  2. 「全期間」を選択し、「キャッシュされた画像とファイル」にチェックを入れる
  3. 「データを削除」をクリック

あるいは、Gems の設定画面で「更新」ボタンがあれば、それをクリックして強制的に再読み込みさせることもできます。

よくある原因3: Gem を切り替えていない

これは意外と多いトラブルです。複数の Gem を作成している場合、変更後に別の Gem で応答を試してしまい、「指示が反映されていない」と勘違いしてしまうケースです。

対処法

  1. チャット画面の上部に表示されている Gem 名を確認する
  2. サイドバーで「修正した Gem」を明確に選択してから質問を入力する
  3. 必要に応じて、Gem 名の横に「更新済み」というメモを自分で付けておく

よくある原因4: 文字数制限に達している

Gems のインストラクション欄には、実は文字数制限があります(通常は数千文字程度)。複雑な指示を詰め込みすぎると、後半の指示が切れてしまう可能性があります。

対処法

  • 優先順位をつける:最も重要なルール(役割定義と出力フォーマット)を冒頭に記述する
  • 不要な詳細を削除:例外的なケースの説明より、基本ルールの徹底を優先する
  • 複数の Gem に分割:一つの Gem で複数の役割を果たさせようとしていないか検討する

たとえば「ライター」と「編集者」の機能を1つの Gem で実現しようとするのではなく、それぞれ専用の Gem を作った方が、各々の応答精度が向上します。

よくある原因5: 言語設定のミスマッチ

カスタム指示で「英語で応答する」と指定しているのに、実際には日本語が混じっているというケースもあります。

対処法

インストラクションに言語を明記する:

あなたは日本語のみで応答してください。
以下の場合を除き、英語は使用しないでください:
- 技術用語(API、UIなど)
- ブランド名・固有名詞

または英語の指示の場合:

Always respond in English unless specifically asked otherwise.
Japanese is acceptable only for proper nouns and brand names.

よくある原因6: Safety Filter による制限

稀に、あなたの指示が Gemini の安全性フィルターに引っかかり、一部が無視されることがあります。特に「~するな」という禁止事項が多すぎる場合、フィルターが過敏に反応することがあります。

対処法

  • 禁止事項を「やってはいけないこと」から「やるべきこと」に言い替える
  • 例:「推測で答えるな」 → 「確実な情報のみを基に答える」
  • 政治的に中立的で、有害な内容を避けた表現に修正する

応答精度を高めるための調整方法

指示が反映されている場合でも、応答品質がいまいちという方向けの改善方法をご紹介します。

テスト用の質問を複数用意する

1つの質問では、Gem が正しく動いているかが判定しにくい場合があります。少なくとも3〜5つの異なるシナリオで試し、一貫した応答が得られるか確認します。

インストラクションを反復改善する

完璧なインストラクションを一度で作ることはできません。使いながら「この部分の応答がイマイチ」という気づきを得たら、該当ルールを具体化していく方法が効果的です。

ネガティブなフレーズを避ける

「~しないでください」というネガティブな指示より、「~してください」というポジティブな指示の方が、Gem の応答精度が向上する傾向があります。

例示を含める

「このような形式で答えてください」という指示より、「例:○○」と実際の出力例を示す方が、Gem はあなたの意図を正確に理解しやすくなります。

最後に

Gemini Gems でカスタム指示が反映されない場合の対処法をまとめましました。多くの場合、インストラクションを具体化し、テストを繰り返すことで、期待通りの応答が得られるようになります。

はじめから完璧な Gem を作ろうとするのではなく、使いながら少しずつ改善していく姿勢がおすすめです。この記事を参考に、あなたにぴったりの Gem を育てていただければ幸いです。

さらに詳しく学びたい方は、Gemini Gems完全ガイドもあわせてご覧ください。

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