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◈ API / SDK/2026-06-24上級

Gemini APIのFunction Callingが無限ループする原因と止め方

Function Callingを組んでいたら、同じツールを何度も呼び続けて処理が終わらなくなる。そんなときに原因を特定し、最短で止めるための診断と対策をまとめました。デフォルトモデルの世代交代で再発するループの検知や、結果ベースのストール検出まで実装で示します。

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自作エージェントを動かしていたら、同じツールが何十回も呼ばれ続けてAPI利用料だけが静かに膨らんでいた——Function Callingを本格的に組み始めた方なら、一度はヒヤッとする場面ではないでしょうか。私も最初に小さな検索エージェントを書いたとき、search_web が延々と呼び出され、止めようとしても次のターンでまた同じツール呼び出しが返ってくる、という事態に直面しました。

Function Callingの無限ループは、バグというよりモデル・ツール・プロンプトの「会話設計のズレ」が原因で発生することがほとんどです。ここではGemini APIの実際のレスポンスを見ながら、なぜループが起きるのかを切り分けて、停止条件を明示的に設計する方法をご紹介します。

無限ループは「モデルが終わり方を知らない」から起きる

Function Callingがループする現象は、見た目は派手ですが、原因はシンプルです。モデルは「あと一回ツールを呼べば答えが出る」と判断してツールを呼び、返ってきた結果を見て、また同じ判断をします。この判断が続く背景には、次のどれかが絡んでいます。

  • ツールの返却値が、モデルから見て「まだ答えに足りない」ように見える
  • プロンプトに「いつ終わるべきか」の基準が書かれていない
  • モデルがテキスト応答を返そうとするたびにコード側がツール実行に戻してしまう
  • 同じ引数で同じツールを呼び続けても、検知して止める仕組みがない

要するに、モデルは与えられた情報の範囲で最善を尽くしているだけで、止まるためのヒントを人間が与えていないのです。ここを押さえておくと、原因調査がぐっと楽になります。

まずはレスポンスのfinish_reasonと履歴を追う

ループを止めるには、どのターンでモデルがどんな判断をしたかを見える形にするのが第一歩です。Pythonのgoogle-genai SDKで、ツール呼び出しと応答を逐次出力する最小限の診断コードは以下のようになります。

# 目的: ツール呼び出しの連鎖を可視化し、どこでループしているかを特定する
from google import genai
from google.genai import types
 
client = genai.Client()
 
def search_web(query: str) -> dict:
    # ダミー実装: 実際はWeb検索APIを呼ぶ
    return {"results": [{"title": f"dummy for {query}"}]}
 
tools = [types.Tool(function_declarations=[
    types.FunctionDeclaration(
        name="search_web",
        description="キーワードでWebを検索する",
        parameters={"type": "object", "properties": {
            "query": {"type": "string"}}, "required": ["query"]},
    )
])]
 
history = [types.Content(role="user", parts=[
    types.Part.from_text(text="Gemini 2.5 Proの最新アップデートを要約して")])]
 
for turn in range(6):  # まずは6回で強制停止して調査
    resp = client.models.generate_content(
        model="gemini-2.5-pro",
        contents=history,
        config=types.GenerateContentConfig(tools=tools),
    )
    cand = resp.candidates[0]
    print(f"[turn {turn}] finish_reason={cand.finish_reason}")
    call = next((p.function_call for p in cand.content.parts if p.function_call), None)
    if not call:
        print("最終応答:", resp.text)
        break
    print(f"  tool={call.name} args={dict(call.args)}")
    result = search_web(**call.args) if call.name == "search_web" else {}
    history.append(cand.content)
    history.append(types.Content(role="tool", parts=[
        types.Part.from_function_response(name=call.name, response=result)]))

このコードを走らせると、ターンごとに finish_reason と呼ばれているツール・引数が出力されます。ループが起きている場合、ほぼ確実に「同じツール名・同じ引数」が連続で出ているはずです。ここを観察するだけで、停止条件を設計するための材料が揃います。

観察で注目したい3つのサイン

  • 同じツールが同じ引数で3回以上呼ばれている → プロンプトまたはツール返却値の情報不足
  • 毎ターン finish_reason=STOP ではなく MAX_TOKENS になっている → 出力予算が尽きて止まっているだけで、会話は継続扱い
  • ツール返却値に同じ内容が並んでいる → キャッシュや固定レスポンスが意味のない情報を返し続けている
✦

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✦完全一致の重複検出に加え、引数が違っても結果が進まないループを返却値の指紋で検知する二段構えの停止条件
✦Gemini 3.5 Flash GA で既定モデルが静かに入れ替わってもループ再発を平均ツール呼び出し回数で早期検知する番人
✦停止条件をプロンプト・コード・ツール返却値の3層に埋め込み、上限到達時に沈黙させず最善の要約を返す設計
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