日本語の資料を NotebookLM に読み込ませて Audio Overview を作ったのに、再生してみると流暢な英語で「Welcome to the deep dive...」と話し始める。ソースは日本語なのに、なぜ音声だけ英語になるのか——私も自分のアプリのレビュー分析でこの現象に何度か出くわし、最初のときは思わず再生を止めてしまいました。
ここでは Audio Overview が意図した言語で生成されないとき、生成の進捗バーが途中で止まるとき、再生が途中で切れるときの、それぞれの原因と確認手順を整理します。実際に手元で遭遇したパターンだけを対象にしているので、机上の想定ではなく、再現しやすいものから順に潰していけます。
まず症状を切り分ける
「うまくいかない」と一口に言っても、実は3〜4種類の症状が混ざっています。最初に自分の症状がどれに該当するかを確認しておくと、対処が早くなります。
代表的なパターンは次のとおりです。
- 日本語ソースを与えたのに、生成された音声が完全に英語で話されている
- 日本語と英語が混ざった音声になっている(途中で言語が切り替わる)
- 進捗バーが「Generating...」のまま 30 分以上動かない
- 生成は完了したが、音声ファイルの再生が途中(数十秒〜数分)で途切れる
- 「Generation failed」と短いエラーが出て終わる
それぞれ原因が違うため、症状の特定が最初の一歩になります。
原因1:出力言語の設定を確認する
最初に確認したいのが、ノートブック単位の出力言語設定です。NotebookLM はソースの言語を自動判定するわけではなく、ユーザーの言語設定や、ノートブック内の「Output Language」を参照して音声を生成します。
設定箇所は次の手順で確認できます。
- NotebookLM の画面右上にある歯車アイコン(設定)を開く
- 「Output Language」または「出力言語」のドロップダウンを確認する
- 一覧から「日本語」を選択して保存する
- ブラウザを再読み込みしてから、Audio Overview を再生成する
ここを英語のままにしておくと、ソースが日本語でも音声は英語で生成されます。私の場合、Google アカウントの表示言語を一時的に英語に切り替えていた時期があり、それが NotebookLM 側にも反映されて英語音声になっていました。アカウントの言語と NotebookLM の言語は連動しがちなので、両方をチェックすることをお勧めします。
原因2:ソースの主要言語が英語と判定されている
設定が日本語になっていても、ソース内に英語が多く含まれていると、判定が英語側に引っ張られることがあります。代表的なのは次のようなケースです。
- 英語の論文 PDF を日本語の解説資料と混在させている
- 日本語の Web 記事をコピーしたつもりが、HTML の
lang="en"属性付きの英語部分まで取り込まれている - スクリーンショットの OCR が走り、メニュー部分の英語テキストが大量に拾われている
- 英語のコードコメントを含むソースが多い
NotebookLM はソース全体のテキスト比率を見て主要言語を推測する傾向があります。日本語比率が薄いと、設定を上書きする形で英語音声が生成されることがあります。対処としては、英語比率の高いソースを一時的に外して再生成するか、Audio Overview 用のノートブックを別に分けて日本語ソースだけを入れる方法が確実です。
原因3:カスタマイズプロンプトを英語で書いている
Audio Overview にはカスタマイズ機能があり、「どんな観点で解説してほしいか」を自然言語で指定できます。ここで英語のプロンプトを書くと、出力音声まで英語に引っ張られます。たとえば次のようなプロンプトです。
Focus on the technical implementation details and provide
concrete code examples for the iOS production environment.意図としては「日本語で技術的観点を解説してほしい」だったのですが、英語のプロンプト全体が出力言語のシグナルとして解釈されてしまいます。次のように日本語で書き直すと、音声も日本語に戻ります。
技術的な実装の詳細に焦点を当てて解説してください。
iOS の本番環境を想定し、具体的なコード例を交えながら、
日本語で 10 分程度の音声にまとめてください。最後に「日本語で」と明示しておくのが地味に効きます。私の運用では、カスタマイズプロンプトを使う場合は必ず最後の一文に「日本語で音声を生成してください」と書く運用に変えてから、英語混在の発生がほぼゼロになりました。
原因4:進捗バーが固まる・途中で停止する
言語の問題ではなく、生成自体が進まないケースもあります。NotebookLM の Audio Overview は内部的に複数の処理(テキスト要約 → 対話スクリプト生成 → 音声合成)を順に走らせており、どこか一つでも詰まると進捗バーが止まったまま動かなくなります。
実体験から効果があった対処手順は次のとおりです。
- 30 分以上動かない場合は、いったんページを再読み込みする(自動でリトライされることが多い)
- ソース数を一時的に減らす(10 件以下にすると安定しやすい)
- 1 ソースあたりのサイズを 100 ページ以下に圧縮する
- ブラウザの拡張機能(特に広告ブロッカーや翻訳系)を一時無効化する
- シークレットウィンドウで開き直して再試行する
特に翻訳系拡張機能は曲者で、画面上のテキストを書き換えてしまうことで生成リクエストの整合性が崩れることがあります。Chrome の翻訳バーが出ている場合は「英語を翻訳しない」を選んでから再試行してください。
原因5:音声が途中で途切れる
生成は完了したのに、再生が途中で止まる症状もあります。原因としてはサーバ側の生成失敗、ブラウザ側のキャッシュ破損、CDN 配信のタイムアウトのいずれかが多いです。
確認の順序は次のとおりです。
- 音声プレーヤーの右下にあるダウンロードボタンから一度ファイルをダウンロードする
- ダウンロードしたファイルをローカルで再生し、最後まで聞けるかを確認する
- 最後まで聞ける場合はブラウザ側のキャッシュ問題なので、シークレットウィンドウまたはキャッシュクリアで解消する
- ダウンロードファイルも途中で切れている場合は、ノートブック内で Audio Overview を削除して再生成する
私が遭遇したケースでは、20 分相当の音声を生成中にネットワークが一瞬切断され、サーバ側で完了扱いになったものの実ファイルが数分しか書き込まれていない、という状態が発生していました。再生成で素直に解決したので、ファイル側の問題と判明したら作り直すのが早道です。
予防策:生成前のチェックリスト
最後に、トラブルを未然に防ぐためのチェックリストを置いておきます。Audio Overview を生成する前に次の 4 点を確認するだけで、再生成の手間がかなり減ります。
- ノートブック設定の Output Language が「日本語」になっているか
- ソースの主要言語が日本語に偏っているか(英語ソースは別ノートブックに分離)
- カスタマイズプロンプトを使うなら、本文も含めて日本語で記述しているか
- ソース数が 10 件以下、各ソースが 100 ページ以下に収まっているか
公式ヘルプも合わせて参照すると安心です。詳しい仕様の最新情報は NotebookLM ヘルプセンター にまとまっています。
同じ問題に時間を溶かしていた方の参考になれば幸いです。私も AdMob のレビュー分析や、国際芸術賞の応募資料の整理など、毎週のように NotebookLM を触っている立場として、つまずきポイントを少しずつ言語化していけたらと思っています。お読みいただきありがとうございました。