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API / SDK/2026-08-29中級

Omni Flash の 4K を API 側で受け取るか、配布直前に自分で上げるか

Gemini Omni Flash の 1080p と 4K はアップスケール出力です。解像度を引き上げる地点を配布先から逆算して決める手順と、受け取った動画の細部を自分で確かめる方法をまとめました。

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新しい iPhone が出るたびに、壁紙アプリの解像度の分岐を書き足しています。画面の pt が増えたぶんだけ配布する画像の実ピクセルが変わるので、素材の側をどれだけ立派に作っても、最後は受け取り側のバケットに合わせて切り直すことになります。Android 側では密度分割で低密度のリソースが落ちてしまい、drawable-nodpi/ に置き直して解決したこともありました。

配布物の解像度を決めているのは素材ではなく、受け取る側の条件でした。個人開発でこの順序を取り違えると、作り直しがそのまま時間の損失になります。

gemini-omni-1.1-flash が一般提供に入り、動画の出力解像度を 360p から 4k まで選べるようになりました。ただしドキュメントには、1080p と 4K がアップスケールによる出力だと明記されています。ここで「とりあえず 4K にしておく」と決めてしまうと、壁紙で踏んだのと同じ順序の取り違えが起きます。

resolution は response_format の中にあります

最初につまずきやすいのが、パラメータの置き場所です。解像度は generation_config.video_config ではなく、response_format の中に入れます。video_config に入るのは tasktext_to_video / image_to_video / reference_to_video / edit / extend)のほうです。

置き場所を間違えても、リクエストは通ります。そして既定の 720p が返ってきます。エラーで気づける類の間違いではないため、最初の 1 本は必ず ffprobe で寸法を確認してください。

import base64
from google import genai
 
client = genai.Client()
 
interaction = client.interactions.create(
    model="gemini-omni-1.1-flash",
    input="A drone shot of a mountain landscape at sunrise.",
    response_format={
        "type": "video",
        "aspect_ratio": "9:16",   # 既定は 16:9。縦動画なら明示が要ります
        "resolution": "1080p",    # ここ。video_config ではありません
    },
)
 
with open("hires.mp4", "wb") as f:
    f.write(base64.b64decode(interaction.output_video.data))

選べる値と、その意味は次のとおりです。

出力生成の実体
360p360pネイティブ
720p720p(既定)ネイティブ
1080p1080pアップスケール
4k4Kアップスケール

つまり、この API がネイティブに作れる上限は 720p です。1080p と 4K は、その 720p を引き伸ばした結果に名前を付けたものだと読めます。詳細は Gemini Omni Flash の公式ドキュメント に一覧があります。

4K を選んで増えるもの、増えないもの

アップスケールという言葉は知っていても、実際に何がどう変わるのかは手を動かさないと掴めません。API を叩く前に、手元の合成素材で性質だけを確かめました。

用意したのは 3 本です。いずれも 2 秒・24fps・CRF 18 で、名目の寸法はすべて 3840x2160 に揃えてあります。

  1. 細かい縞とエッジを持つ絵を、はじめから 3840x2160 で作ったもの(ネイティブ 4K 相当)
  2. 同じ絵を 1280x720 で作り、Lanczos で 3840x2160 に引き伸ばしたもの(アップスケール 4K 相当)
  3. なだらかなグラデーションだけの絵を、はじめから 3840x2160 で作ったもの(細部を持たないネイティブ 4K)

ffprobe で寸法を読むと、3 本とも 3840,2160 です。ファイルのメタデータだけでは区別が付きません。一方で、同じエンコード設定なのにビットレートは大きく割れました。

素材名目寸法ビットレートファイルサイズ(2秒)
ネイティブ 4K(細密)3840x216017.19 Mbps4,299,566 B
アップスケール 4K3840x21607.25 Mbps1,812,869 B
ネイティブ 4K(平坦)3840x21600.59 Mbps147,756 B

同じ寸法・同じ CRF で、アップスケール由来はネイティブの 42% ほどのビットレートに収まりました。エンコーダは「そこに無い細部」には符号を割かないので、当然といえば当然の結果です。ただ、この当然が実務では効いてきます。4K を指定して増えるのは寸法であって、情報量ではありません。

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配布先の受け入れ条件を先に決めてから解像度を選べるようになり、4K を指定したのに寸法だけが増えていた、という後戻りを避けられます
受け取った mp4 の名目解像度に見合う細部が実際に入っているかを、ffmpeg と 40 行ほどのスクリプトで自分で判定できるようになります
同じ寸法・同じ CRF でもアップスケール由来はビットレートが半分以下になるという性質を使い、画質ではなく受け取り量で解像度を決められるようになります
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