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HOOKS — Managed Agents に environment hooks が入りました。ツール呼び出しの前後でサンドボックス内のスクリプトを走らせ、検証・記録・外部パイプラインの起動を境界で挟めますDEFAULT — antigravity-preview-05-2026 の既定モデルが Gemini 3.6 Flash になりました。コード変更は不要で、次の対話から自動的に切り替わりますBUDGET — Managed Agents にトークン予算・明示的なモデル選択・スケジュール実行・無料枠が加わり、サンドボックス環境を直接扱う API も公開されましたBG — 7月7日の更新で長時間のバックグラウンドタスクとリモート MCP サーバー連携が入っており、今回の hooks はその土台の上に積まれていますSUNSET — 旧来の画像生成モデルは8月17日、gemini-robotics-er-1.6-preview は8月31日に停止します。移行先の確認は早めが安全ですSAMPLING — temperature・top_p・top_k が非推奨になりました。あわせて gemini-3.1-flash-tts-preview で音声生成のストリーミングが使えるようになっていますHOOKS — Managed Agents に environment hooks が入りました。ツール呼び出しの前後でサンドボックス内のスクリプトを走らせ、検証・記録・外部パイプラインの起動を境界で挟めますDEFAULT — antigravity-preview-05-2026 の既定モデルが Gemini 3.6 Flash になりました。コード変更は不要で、次の対話から自動的に切り替わりますBUDGET — Managed Agents にトークン予算・明示的なモデル選択・スケジュール実行・無料枠が加わり、サンドボックス環境を直接扱う API も公開されましたBG — 7月7日の更新で長時間のバックグラウンドタスクとリモート MCP サーバー連携が入っており、今回の hooks はその土台の上に積まれていますSUNSET — 旧来の画像生成モデルは8月17日、gemini-robotics-er-1.6-preview は8月31日に停止します。移行先の確認は早めが安全ですSAMPLING — temperature・top_p・top_k が非推奨になりました。あわせて gemini-3.1-flash-tts-preview で音声生成のストリーミングが使えるようになっています
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API / SDK/2026-08-02上級

environment hooks に置いた門番の実測 — 判定は46マイクロ秒、起動は23ミリ秒

Managed Agents の environment hooks に破壊的コマンドのガードを置くまでの記録です。正規表現の denylist が20件中9件を素通りさせた実測から、argv 分解による検出率100パーセントまでの3段階と、判定より500倍重い起動コストの内訳をまとめました。

Gemini API200Managed Agents8environment hooksサンドボックス3エージェント設計2

プレミアム記事

7月28日、Gemini API の Managed Agents に environment hooks が加わりました。ツール呼び出しの前後で、サンドボックスの内側からカスタムスクリプトを走らせられる仕組みです。

告知を読んで最初に思い浮かんだのは、機能の使い道ではなく、以前に自分が肝を冷やした場面のほうでした。個人開発で回している自動化パイプラインで、エージェントに作業ディレクトリの掃除をさせたとき、消してほしくない中間生成物まで一緒に消えたことがあります。復旧そのものは十数分で済みました。ただ、あのとき手元にあったのは「実行が終わったログ」だけで、実行を止める場所がどこにもなかった。

environment hooks は、まさにその「止める場所」をツール呼び出しの境界に作るものです。

そこで、破壊的なシェルコマンドを弾く門番を書きました。書き始めたときは30分で終わる作業だと思っていました。実際には、最初に書いた実装が半分近くを素通りさせ、そのうえ性能の想定が完全に逆でした。以下はその記録です。

※ 以下の計測は、隔離された Linux 環境(Ubuntu 22.04 / Python 3.10.12)でフックスクリプト単体を走らせて取得した値です。フックの契約は「ツール呼び出しの内容を受け取り、許可か拒否を返すプロセス」なので、判定ロジックと起動コストはエージェントへ組み込む前に単独で測れます。API 側の仕様・引数名は変更され得るため、実装前に Gemini API の Agents ドキュメント で確認してください。

止めたいものを、まず34行のリストにする

ガードを書く前に、判定対象を確定させました。頭の中の「危ないコマンド」は輪郭がぼやけていて、実装しながら考えると必ず取りこぼします。

破壊的として止めたいもの20件、通したいもの14件。合計34件のコーパスを作りました。意図的に入れたのは次の3種類です。

種別狙い
教科書的な破壊どんな実装でも止まるはずrm -rf /
表記違いの破壊同じ意味で書き方だけ違うrm -fr /workspace / rm --recursive --force ...
紛らわしい正常系誤爆させたいケースgrep -rn 'rm -rf' /workspace/docs

3番目を入れたことが、あとで効きました。ガードの価値は「止めた数」ではなく「止めずに済ませた数」との比で決まります。安全側に倒しすぎたフックは、数日で外されて終わります。

# corpus.py — 判定対象の固定コーパス(True = 破壊的として止めたい)
CORPUS = [
    # 教科書的な破壊
    ("rm -rf /", True),
    ("rm -rf /workspace", True),
    ("rm -rf ~", True),
    # 同じ意味だが表記が違う
    ("rm -fr /workspace", True),
    ("rm -r -f /workspace", True),
    ("rm --recursive --force /workspace", True),
    ("/bin/rm -rf /workspace", True),
    ("env rm -rf /workspace", True),
    ("sh -c 'rm -rf /workspace'", True),
    ("cd /workspace && rm -rf .", True),
    ("find /workspace -delete", True),
    ("truncate -s 0 /workspace/db.sqlite", True),
    (": > /workspace/db.sqlite", True),
    ("dd if=/dev/zero of=/workspace/db.sqlite", True),
    ("git clean -xfd", True),
    ("git reset --hard origin/main", True),
    ("mkfs.ext4 /dev/nvme1n1", True),
    ("chmod -R 000 /workspace", True),
    ("mv /workspace /tmp/gone", True),
    # 通したい正常系
    ("ls -la /workspace", False),
    ("cat /workspace/report.json", False),
    ("python3 /workspace/analyze.py --input data.csv", False),
    ("grep -rn 'TODO' /workspace/src", False),
    ("git status", False),
    ("git log --oneline -20", False),
    ("npm test", False),
    # 紛らわしい正常系(誤爆を測るために置く)
    ("grep -rn 'rm -rf' /workspace/docs", False),
    ("echo 'never run rm -rf /' >> /workspace/NOTES.md", False),
    ("python3 -c \"print('rm -rf /')\"", False),
    ("git log --grep='remove -rf flag'", False),
]

最初の実装は、20件中9件を素通りさせた

素朴に、危険なパターンを正規表現で並べました。おそらく多くの人が最初に書くであろう形です。

import re
 
DENY_PATTERNS = [
    r"rm\s+-rf\s+/",
    r"rm\s+-rf\s+~",
    r"mkfs",
    r"dd\s+if=/dev/zero",
    r"git\s+reset\s+--hard",
    r"git\s+clean\s+-xfd",
]
DENY_RE = [re.compile(p) for p in DENY_PATTERNS]
 
def guard_denylist(cmd: str) -> bool:
    """True を返したら「破壊的なので拒否」"""
    return any(r.search(cmd) for r in DENY_RE)

コーパスに通した結果です。

破壊的 20件中 11件を阻止(検出率 55.0%)
正常  14件中  2件を誤って阻止(誤検知率 14.3%)

素通りした9件を並べると、傾向がはっきりしました。

素通りしたコマンドなぜ漏れたか
rm -fr /workspaceフラグの並びが -rf ではない
rm -r -f /workspaceフラグが分かれている
rm --recursive --force /workspaceロングオプション
cd /workspace && rm -rf .削除対象がスラッシュ始まりではない
find /workspace -deleteそもそも rm ではない
truncate -s 0 ... / : > ...削除ではなく中身の消去
chmod -R 000 /workspace消さないが読めなくする
mv /workspace /tmp/gone消さないが消えたのと同じ

パターンを追加すれば個別には塞げます。ただ、この一覧を眺めていて手が止まりました。塞いだところで、次に来るのは私が思いつかなかった10件目です。denylist は「私が想像できた危険」の上限までしか働かない。

誤検知のほうも示唆的でした。echo 'never run rm -rf /' >> NOTES.mdpython3 -c "print('rm -rf /')" が止められています。文字列の中身とコマンドの構造を、正規表現は区別できません。

つまりこの方式は、構造を見るべき対象を文字列として扱っている点で、そもそも土台がずれていました。

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正規表現の denylist が破壊的コマンド20件中9件を素通りさせた実測と、argv 分解で検出率100パーセント・誤検知0パーセントまで詰めた3段階の設計
判定ロジックは46マイクロ秒、プロセス起動は23.1ミリ秒。import re 単体で7.1ミリ秒という内訳と、フックを1本に束ねる根拠
そのまま動く pre-tool-call ガードの完全な実装(ラッパ剥がし・サブシェル再帰・書き込みパススコープ付き)
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