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高度な活用/2026-08-06上級

知識カットオフが前進した日、見直すべきなのは2つの日付に挟まれた断定でした

モデルの知識カットオフが前進すると、古くなるのはモデルではなくシステム命令に書いた断定の側でした。旧カットオフと新カットオフに挟まれた行だけが補足から矛盾へ反転する理由と、その窓を機械判定する監査ツールの実行結果をまとめています。

Gemini API208システム命令知識カットオフプロンプト設計9運用設計12

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Gemini 3.6 Flash へ切り替えた翌日、個人開発で回している画像分類パイプラインの出力が、以前より雑になっていました。

カテゴリの粒度が粗い。以前なら二段目まで踏み込んでいた判定が、一段目で止まっています。

モデルは新しくなったはずです。単価も下がり、トークン効率も上がったと発表されています。それなのに、出力の質だけが後ろへ下がりました。

原因はモデルではありませんでした。システム命令に、ずいぶん前に書いた一行が残っていたのです。

2025年11月時点で、この API は画像とテキストの同時入力に非対応です。

3.5 Flash 時代には、これは正しい補足でした。モデルが知らない事実を、こちらが補ってあげていたわけです。

けれど 3.6 Flash では知識カットオフが 2025年1月から 2026年3月へ前進しています(値は公式のリリースノートでご確認ください)。モデルは、その仕様がすでに変わったことを自分で知っています。

補足だったものが、矛盾に変わった瞬間でした。

古くなるのはモデルではなくプロンプトの側です

知識カットオフの話題は、たいてい「モデルが最近のことを知らない」という方向で語られます。

実務で先に痛むのは、逆側でした。

システム命令に書いた日付付きの断定は、書いた瞬間から固定されます。モデルの知識だけが更新され、プロンプトは更新されません。カットオフが前進するたび、両者の差は開きます。

しかも壊れ方が静かです。API エラーにはなりません。構造化出力のスキーマ検証も通ります。ただ、モデルが自分の知識と命令文のどちらを信じるか迷い、出力が慎重な方へ寄っていく。それだけです。

私の場合、その「慎重さ」がカテゴリ粒度の低下として表に出ました。矛盾を抱えたモデルは、断定を避ける方向に振れます。

危険域は「2つの日付の間」だけに閉じます

では、システム命令に書いた日付付きの記述を全部見直すべきかというと、そうではありません。

書いた時期によって、意味が三つに分かれます。

記述の時期 3.5 Flash 時代の役割 3.6 Flash での意味 対処
旧カットオフ(2025年1月)より前 もともとモデルが知っていた領域の重複 変わらず重複。トークンを消費するだけ 削除候補(優先度は低い)
旧カットオフと新カットオフの モデルの盲点を埋める有効な補足 モデル自身の知識と競合する 最優先で確認・書き換え
新カットオフ(2026年3月)以降 (まだ存在しない記述) 引き続き必要な補足 維持

真ん中の帯だけが、役割を反転させます。

かつて最も価値のあった行が、いま最も邪魔をしている。この非対称が、私にとっては意外でした。

そして帯の幅は 2025年1月から 2026年3月まで、14ヶ月あります。3.5 Flash を本番で使っていた期間とほぼ重なる長さです。つまり、その期間に真面目に補足を書き足した人ほど、反転する行を多く抱えていることになります。

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この記事で得られること
旧カットオフ以前・2つのカットオフの間・新カットオフ以降で断定を三分類し、危険域が「間」だけに閉じる理由を判定コードで示します
日本語のシステム命令から日付付き断定を抽出する監査スクリプト(第1版は7件中5件、第2版で7件全件・負例6行で誤検出0)
「12ヶ月以上前の記述を棚卸しする」方式との一致率が Jaccard 0.40 にとどまった実測と、その差分の中身
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