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⬡ 高度な活用/2026-06-27上級

Gemini Computer Use が「古い画面」を操作して静かに事故るとき — 観測と検証で守る運用メモ

Computer Use エージェントは、画面が変わった後の古いスクリーンショットを根拠にクリックし、エラーも出さずに別の場所を押します。誤操作を計測し、観測・実行・検証の三拍子で止める運用メモです。

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成功したように見えて、別のボタンを押していた

Computer Use を最初に本番相当の作業に回したとき、いちばん怖かったのは派手なクラッシュではありませんでした。ログ上は全ステップ「成功」と並んでいるのに、できあがった結果がまるで違う、という静かな失敗です。原因を追うと、エージェントは数百ミリ秒前のスクリーンショットを根拠に座標を計算し、その間にダイアログが開いて画面が動いていました。古いフレームの「保存」ボタンの位置を、新しい画面では「削除」が占めていた、という類のことが起きていたのです。

この種の事故は例外を投げません。クリックは座標として正しく実行され、API は淡々と次のステップへ進みます。だからこそ、try/except をいくら丁寧に書いても捕まりません。守るべきは「操作が失敗したとき」ではなく、「操作した相手が、自分が見たはずの画面と本当に同じか」を毎回確かめる仕組みのほうです。

私は個人開発でストア提出用のスクリーンショット差し替えのような、退屈で取りこぼしの多い反復作業を自動化に寄せてきました。その経験から言えるのは、人間が手でやるときは無意識に「あれ、画面変わった?」と一拍置いているということです。エージェントにはその一拍がありません。だから一拍を、コードとして外付けしてやる必要があります。

なぜ「沈黙する誤操作」が起きるのか

Computer Use のループは、概念的には観測(スクリーンショット)→ 推論(次の操作の決定)→ 実行(クリック・入力)の繰り返しです。事故は、この三つの間に時間差があることから生まれます。

失敗モード何が起きるか例外は出るか
フレーム陳腐化(stale frame)観測から実行までの間に画面が遷移し、古い座標を押す出ない
座標ドリフト解像度・DPI・スクロール位置の差でモデルの座標と実画面がズレる出ない
楽観的連打反応が遅い UI に対し、確認せず次の操作を重ねて二重実行出ない
ループのスタック同じ画面に対し同じ操作を繰り返し、進まないまま予算を溶かす出ない

共通しているのは、どれも「モデルが見た世界」と「実際に操作した世界」の不一致だということです。モデルを賢くしても完全には消えません。賢いモデルでも、観測した瞬間より後の出来事は知りようがないからです。対策は推論側ではなく、実行を取り囲む薄い制御層に置くのが現実的です。

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